

大切な方をお見送りした後も心の中はまださみしく、これでよかったのだろうか…と不安を残しながら過ごされる方はいらっしゃると思います。
そんな中、残された私たちの心や気持ちを少しずつ整えてくれる、整えるための‘区切り’として行うのが「旅支度」「初七日」「四十九日」という習慣やしきたりでございます。
大切な方が無事に安らぎの場所へとたどり着けるよう願い祈りを込めて、そして私たちも悲しみを少しでも和らげていけるように。
今回はそんな「旅支度」「初七日」「四十九日」のお話をしてまいります。
◎ 旅支度 ◎
故人様が無事に旅立つことができるように、お体を清め、身なりを整え旅立ちにふさわしいお姿に整えお棺へ納めする儀式。白装束を身につけ必要な持ち物をそろえる「旅支度」。
経帷子に編笠、草履や杖、数珠、六文銭(三途の川を渡るための渡し賃)など「昔ながらの旅の道具」をご準備することは今でも一般的に行われております。
※現在は火葬の際に金属や硬貨が入れられない為、六文銭は紙に印刷されたものなどにかわってきています。
地域や宗派によって形が変わってきていることもございますが、納棺の儀は大切に受け継がれています。 近年では、“故人様らしい旅立ちの姿” でお仕度を望まれるご家族様も増え、故人様が好きだったお洋服や趣味だったもの、思い出の写真などを添えて差し上げることもございます。
昔は「三途の川を渡るための必需品」を揃えるための儀式でございましたが、現代ではそのために整えるということだけではなく、「故人様らしく、生前と変わらぬ装いで」という思いを込めた形に変わってきている部分もございます。残されたご家族様にとっても「お別れの第一歩」であり、同時に「ありがとう」を伝えながらゆっくりと送り出す大切な時間となります。
ご希望がございましたら、この儀式を専門にお手伝いしてくださる納棺師の方に、生前の面影を感じられるようにお体の状態を整えお化粧を施し、お着替えをしていただくことも可能でございます。
北本セレモホール、鴻巣セレモホールでは旅支度(納棺)の時間にご家族様にも一緒に手を添えていただける時間をご準備しています。決して無理にではなく、ご希望やお気持ちをお伺いさせていただきながら行いますので、ぜひ少しでもお手伝いいただけましたら、小さなことでも最後のふれあいとなります。
◎「初七日」「四十九日」の旅
注)※初七日、四十九日などのお考えは宗派による違いもございます。以下、ふまえてお読みください※
多くの仏教宗派で考え方は共通していますが、「浄土真宗」では亡くなるとすぐに阿弥陀さまに導かれて極楽浄土へ成仏すると考えられています。これを“即身成仏(そくしんじょうぶつ)”といい、旅をすることなく阿弥陀さまのお力にすべてをお任せできるという教えです。
◎初七日◎
「亡くなられた方は七日ごとに関所を通り、少しずつ向こうの世界へと歩んでいく」と伝えられています。その最初の節目が「初七日」です。ご家族様にとっても「どうか安全に、安らかに…」と祈る大切な時間となります。
近年では、告別式と一緒に初七日法要を行うことが多いようです。もちろん従来通り火葬の後に式場やお寺に戻り、初七日法要を行うお寺もございます。
北本セレモホール、鴻巣セレモホールでも式中に初七日法要を行うお寺が多くなりました。菩提寺をお持ちの方々はご住職様にお伺いしておくのも安心ですね。
〇初七日の数え方〇
一般的には、故人が亡くなった日を1日目と数えて7日目にあたります。ただし、地域や宗派によって数え方が異なる場合がありますので、その地域や宗派の数え方、日付を調べておくことが必要かと思われます。
◎四十九日◎
この日は故人様が極楽浄土へ行けるかどうかの最終的な審判が下される日とされており、ご家族様は故人様が無事に成仏できるよう祈りを捧げましょう。数え方は初七日と同じようになくなった日が1日目となります。
初七日や四十九日という節目は、故人様の旅路を見守り残されたご家族様の様々な思い、お気持ちを届ける大切な時間です。みんなで心を合わせて祈ることを「追善供養」と呼びますが、「追善供養」は大切な方のために祈りを捧げる時間であると同時に、ご家族様にとっても気持ちの整理や区切りをつけていく大切な日々になります。
様々な宗派の考え方はございますが、大切な方を亡くされた悲しみは皆同じです。悲しみの中でも祈りや供養を重ねることでご自身の心にも寄り添いながら歩みを進めていけますように。
どうかひとりで背負わず、周りの方々と一緒に静かに優しく送り続けてあげてくださいね。
葬儀も「家族葬」「一般葬」「直葬」「一日葬」など様々な形が増え、故人様、ご家族様のご意向に沿って選びご準備していただけるようになってまいりました。ここ北本市、鴻巣市、桶川市でも「旅支度」「初七日」「四十九日」など古くからの習わしを大切にしながらも、時代とともに送り方は少しずつ変わってきています。形は変わっても、”大切な方を送る思い”や”お気持ち”は何年たっても変わらず同じであるはずです。
セレモ有限会社では、その想いに寄り添いながらご家族様のお気持ちも大事に受取り、お手伝いをさせていただきます。
また次回も、少しでも皆さまの心に寄り添えるお話をお届けできればと思います。
