

私たちが見送る儀式には、宗教や文化によってさまざまな形があります。
以前の記事の中で、日本で一番多いのは仏式、その仏式については少し触れさせていただきましたが、神式やキリスト教式のお葬式ももちろんございます。北本市、鴻巣市、桶川市それぞれに神社、教会がございますし、セレモ有限会社でも神式、キリスト教式を行っております。
あまり馴染みのない方もいらっしゃると思いますが、神式には神式の、そしてキリスト教式にはその教えに沿った祈りの形があります。それぞれに独自の儀礼や意味、特徴がございます。しかしどの宗教でも、故人様へ手を合わせ祈る心、思いは同じです。そしてどのお式でも同じように、ご家族だけでお見送りを希望される家族葬、ご友人や会社関係などの方々もご一緒にと希望される一般葬とそれぞれございます。
神式、キリスト教式にご参列される場合はご親族様にちょっとお伺いしていただいた方が安心かと思います。
今回は神道とキリスト教について少しご紹介してみます。
◎神道(神式)◎
神式は「神葬祭(しんそうさい)」と呼ばれ、宮司さんがお祓いや祝詞(のりと)をあげます。お線香はあげずお焼香もいたしません。代わりにお米、お水、お酒、お塩などをお供えしろうそくを立て、「玉串(たまぐし)」という榊(さかき)の枝を神前にささげて祈ります。故人様は「仏様」になるという仏教の考えに対し、神道では「神様」の御霊(みたま)となり家や家族を見守る存在になると考えられ、神葬祭は宮司さんにお願いします。
神式を知らない方でもこれだけは知っておくと、慌てたり驚いたりせずちょっとだけ安心して参列できるかな?という重要な作法をご説明、お伝えさせていただきます。
*「玉串奉奠(たまぐしほうてん)」*
神式は祭壇や周りの飾り物に特徴がありますので、会場を見るだけでもワッと驚く方もいらっしゃると思います。そんな雰囲気の中で、おそらく何よりも戸惑うのが「玉串奉奠」ではないかと思います。これはお焼香の代わりとなる神道(神式)のお祈りの作法です。榊には「神が宿る」とされ、神職や参拝者から神への捧げものとして一般的に用いられます。
どのような手順で行われるかご存じですか?少し難しく感じられるかもしれませんがここで玉串奉奠の流れを、順を追ってお伝えいたします。少しでも知っておくと実際の場で落ち着いてお祈りができると思いますのでゆっくりとご覧くださいね。
①順番がきたら前に進み宮司さん、もしくは係の者から玉串を受け取ります。右手で根元を持ち左手を葉の下にそっと添えるようにして受け取ります。
②玉串を奉奠する玉串案まで進み一礼をします。
③玉串の向きを整えます。根元が手前にくるよう時計回りに90度回し、左手を根元に、右手を葉の下に添えるように左右の手を持ちかえます。持ちかえたらそのまま時計回りに180度回し根元が神前側、葉先が自分側になるようにし、両手でそっとお供えします。
④二礼二拍手一礼にて拝礼します。この時、二拍手は音を立てずにしのびてで行います。
⑤二礼二拍手一礼まで終わりましたらご遺族様へご一礼をしてお席へとお戻りください。
と…文章でお伝えするとなかなか伝わりにくく難しいですね。イラストも載せてみましたので、説明の番号と合わせながら見ていただけると少し分かりやすくなるのではと思います。

北本セレモホール、鴻巣セレモホールでは、神葬祭の開式前には必ずスタッフがこの一連の手順をお見せしながらご説明をさせていただきます。もし分からなくなってしまったら、すぐにお声がけください。実際に玉串を持ちながら一緒にご案内いたします。
+キリスト教(教会式)+
チャペルや、讃美歌の響き…キリスト教式はどこかで目にされた方も多いかもしれません。
キリスト教式は、神父様や牧師様のお祈りから始まります。聖書の朗読や説話があり会葬者皆さまで一緒に心を合わせましょうという場面が多いのが特徴です。
仏式ではお式の前後にお寺の方から「説法」がある場合もございます。キリスト教式では牧師が朗読される聖書を聞き、全員で讃美歌を歌い、お焼香ではなく飾花(しょっか)や献花(けんか)などをして故人さまへ祈りを捧げます。静かで温かい時間の流れの中、神様と共に故人さまをお見送りするのが、キリスト教式です。
流れや細かい作法を知らなくても心配はいりません。大切なのは静かにその場に身をゆだね、祈り、讃美歌に耳を傾けながら、心の中でそっと「安らかに…」と願うこと。悲しみに沈むだけではなく、神さまに見守られて旅立たれる姿を想い、あたたかな気持ちで送り出す――それがキリスト教式なのです。
神式にもキリスト教式にも、それぞれ大切にされている所作や祈りの形があります。前回の仏式から続き家族葬、一般葬と、葬儀の形もご参列されるご関係性も様々でございます。けれど、共通していることは「静かに心を寄せる」ということ。分からないから、、、と慌てなくても、不安にならなくても大丈夫です。ただその場の皆さまと一緒に心寄り添うことが何よりも大切なご参列の姿だと思います。どうか安心して、その時をお迎えくださいね。
北本セレモホール、鴻巣セレモホールではそれぞれの宗教に寄り添いお手伝いをさせていただきます。
